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1/19/2010

未来のアイデアを液晶ペンタブレットで描く トヨタ自動車九州 コミュニティスペースでCintiq 21UXが活躍

トヨタ自動車九州株式会社は、レクサスの生産を中心としたトヨタ自動車の西日本最大の生産拠点。同社NB事業室(新規事業室)では、過去より産学連携での新商品開発に取り組んでおり、2003年7月、福岡市天神に「産学連携コミュニティスペース」(以下、コミュニティスペース)を開設。会員制のコミュニティスペースの目的は、自動車の新しい可能性を模索すること。会員は車両に関する新規性の高いアイデア創作に取り組んでいる。

2008年11月より、常設の機材に加え、当社の液晶ペンタブレット「Cintiq 21UX」が導入され、より表現力の高いアイデアスケッチやデザイン画の制作が容易になった。現在の会員数は626名(2009年12月)、主に学生が中心となり、日々斬新で自由な発想が液晶ペンタブレット上に描き出されている。


【産学連携コミュニティスペース】

■アイデアコンペティション
トヨタ自動車九州では毎年7月にアイデアコンペティションを開催し、今年で9年目を迎える。

その第1回開催は2002年。当時、トヨタ自動車九州社内で、「何か新商品の切り口になるような新しいアイデアがほしい」という声(意見)があがる。そこでかねてから交流があった九州芸術工科大学(現 九州大学芸術工学部)と協力し、同大学学生による自動車の新商品に関するアイデアを募るコンペティションを開催することになる。
そこで提案されたアイデアは予想以上に斬新であり、手ごたえを感じた同社は、以後、毎年コンペティションを開催してきた。4回目の開催までは学生限定の募集だったが、以後門戸を広げ、一般の人も応募できるようにした。

2009年7月で8回目の開催を終了し、回数を重ねるごとに参加人数を伸ばし続けている。 これまでの応募作品の中より数点は、商品化を目指し検討されており、参加者のモチベーションを上げる要素となっている。

■産学連携コミュニティスペース
同社はさらにアイデアコンペティションだけではなく、自動車産業やモノづくりについての情報を共有し、会員・会社が共に高めていける場として会員制の「産学連携コミュニティスペース」を2003年7月に設立。このスペースが設立されることで、同社は常時新しいアイデアを検討できるようになった。

さらに、協力学校や学生会員の要望により、技術者やデザイナーによる講演会などイベントも開催。またスペース内に専門員を常駐させることで、プレゼンテーションの方法や工学的な技術も教えてもらいたいという声にも応えることができるようになったのである。

■Cintiq 21UX & コミュニティスペース
当社の液晶ペンタブレットがコミュニティスペースに設置されたのは2008年11月。多くの会員が自由な発想でデザイン描画に専念できるツールとして愛用されている。
トヨタ自動車九州 R&D推進センター NB事業室 内田択郎さんは、「モチベーションの高いクリエイターが集まる場所になってほしい。Cintiq 21UXは液晶画面に直接ペンで描き込めるので直感的に使える。さらに筆圧感知機能により、マウス操作では決して表現出来ない“深み”や“味”をも表現できるのがすごい。会員さんは皆、少年の様な眼をして使っています。」内田さん自身もCintiq 21UXはお気に入りだそうだ。

■学生会員に聞く、Cintiq 21UXの使い心地は?

Vol.1
福岡コミュニケーションアート専門学校
クリエイティブコミュニケ−ション コミックイラスト科
稲葉智美さん、浜野紗和さん

2人がコミュニティスペースに通いだしたのは今年の11月頃から。「Cintiq 21UXがあるよ」という内田さんの一言がきっかけ。
浜野さんは自宅でもペンタブレットを使用している。一方稲葉さんもBamboo Funを2008年の初めに購入。普段使用しているソフトウエアはAdobe Photoshop。 また学校にも教室に備え付けのペンタブレットがあり、授業ではもちろんのこと、自主学習の際にも自由に使用できるそうだ。
授業では基本的にアナログで線画をおこし、それをデジタルに取り込む。デジタルでの加工は拡大・縮小、やり直しが簡単にできることがとても便利であり、作業効率も格段に向上するとのことだ。

液晶ペンタブレットを使用したのはここコミュニティスペースが初めて。
Bamboo Funと比べるとより一層、筆の入りと抜きが表現でき、紙に描いているような感覚で作業できるのでやりやすい、これからもCintiq 21UXを使用して作品を作りたいと語ってくれた。




Vol.2
九州大学 芸術工学部
本多信彦さん

コミュニティスペースに通い出したのは大学1年生の時。きっかけは大学に掲示されていたアイデアコンペティションのポスターで、これを見て興味を持ち、作品を応募してみることに。すると、見事入賞!
本多さんは、子供連れのお母さんを対象とした、「自転車とショッピングカートが一体となったシームレスデザインの自転車」を発表した。もちろん安全面にも考慮したとのこと。

現在、自宅ではIntuos3を使用している。また本多さんの所属する大学の研究室には、IntuosとCintiq 12WXが設置されている。
さてCintiq 21UXの使い心地は?「いいですね〜」と本多さん。Intuos3を使用している時は、作品の全体バランスを確認するために、作品を映しているモニターを離れた位置からわざわざ眺めるようにしているそうだ。作業中、何度もモニターに離れたり近づいたりと作業を中断されている。一方、Cintiq 21UXで制作している時も全体バランスを確認するが、そのまま立ち上がれば全体図を見ることができる。紙に描いているのと同じ感覚で、モニターから離れる必要がないため作業も効率が上がったと語ってくれた。

Vol.3
麻生建築&デザイン専門学校 プロダクトデザインコース
野依達平さん

昨年の6月頃から会員となる。コースの生徒みんなでコミュニティスペースを見学し、興味を持ったのが通い出したきっかけである。野依さんは今年7月のアイデアコンペティションに作品を応募したところ、予選を見事クリア。最終審査の公開プレゼンテーションに備え、内田さんにアドバイスをもらったり、アイデアを講評してもらったり、また自動車に関することも教わったそうだ。

野依さんは、液晶画面をあたかもカンバスのように動かしながらデッサンし、色付けを行う。筆圧機能はとても便利で、これからデジタルツールとして使い慣れていきたいと語ってくれた。






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